春爛漫
真乃流「春に舞う」開催 3月27日
初舞に替わる踊り初め
都内の桜が満開を迎えた27日(土)、真乃流は浅草稽古所で「春に舞う」を開催しました。1月末に予定していた「初舞の集い」がコロナ禍、緊急事態宣言などで延期を余儀なくされましたが、真乃繪吏家元が門下の意見も聞きながら決断、「初舞」ならぬ「春に舞う」として浅草公会堂正面の喜多八ビル3階の真乃流浅草稽古所で一門がそろって(北陸支部は不参加)日ごろ稽古に励んだ成果を披露しました。真乃家元は日本舞踊界の伝統的な式典とされている「初舞」を重視していて、毎年欠かさず行ってきましたが、今回は未曽有の事態でもあり、形を変えての「春に舞う」として行ったのです。
当初は第2部にホテルでの会食・親睦会を予定していましたが、酒席ではないとはいえ多人数の会食は控えた方が良いと考え、代わりに料亭のお弁当を配って昼食はそれぞれ自宅で取るように変更したのです。
浅草稽古所での「春に舞う」は入場に際して手指のアルコール消毒、検温、さらに消毒剤でのうがいをゲストも含めて全員に実施。普段のお稽古でも手指のアルコール消毒、検温、出入りに手が触れる箇所のアルコール消毒などを行っていますが、見物の座席も三密を避けるなど、コロナ対策には十分な注意を払っての開催でした。
「春に舞う」は後援会長の高田勲さんにご挨拶を頂いた後、まず真乃繪吏家元が序開きに大和楽「舞」を披露。「流れる水にうつる雲…で舞い始め、めでたくお獅子で舞い納め、続いて門下たちの踊りが次々に披露されました。
初めの3曲は真乃家元が東芝レコード舞踊友の会(家元が常任顧問をつとめる現在の創作新舞踊協会の前身)専属講師時代に振り付けした中から「だんな様」「北海しぶき」「北時刻」を真乃吏空・吏翠・吏茜が踊りました。「だんな様」「北時刻」の2曲は三船和子の唄ですが、1987年(昭和62年)5月に新宿コマ劇場で開かれた「三船和子リサイタル」に家元をはじめ門下が賛助出演した懐かしい曲です。続いて真乃会師範幹部長・真乃吏聡、師範幹部・真乃吏茜による「関東春雨傘」、その次に真乃流カルチャー講座の「おどり倶楽部」で昨年夏から加わった椎葉友香里の「川の流れのように」。これがデビューを飾る初舞台になりましたが、堂々と踊り切り大きな拍手で称賛されました。椎葉は真乃吏邦・吏容の「からたちの小径」のあと、先輩たちに交じって「みだれ髪」も臆せず踊り終え、大変な進境ぶりを示しました。
続いて「かっぽれ」「北のおんな町」「のらにゃん風太郎」「男の絶唱」を次々に門下が披露。そしてキリは再び家元の登場です。家元は鳥羽一郎「男の庵」から氷川きよし「Call me Kii」の2部構成。男の隠れ家、憩いの場を歌う鳥羽の歌に続けての「Call Me Kii」は昨年秋に芸能生活20周年を祝った氷川が新しいスタートを切った新曲です。
真乃家元はこれまで氷川の曲はデビュー曲の「箱根八里の半次郎」をはじめ「一剣」「白雲の城」などを振り付けいずれも真乃流のレパートリー曲になっていますが、「Call Me Kii」は従来の演歌調とは大きく異なる曲調でテンポも速く、家元は振付にかなり苦労したようでした。KII(氷川)に声をかけて!という内容を家元はステージ上に人形を仮託するという驚くべき素晴らしい解釈を施してアップテンポに踊り、「コール・ミー!」のところでは、この曲は観客全員が初めて見る踊りだったのですが、客席から思わず手拍子が飛び出て大いに盛り上がりました。
「春に舞う」をとどこおりなく終えた家元は「コロナ禍の中で皆さんお稽古も大変だったでしょう。今日の<春に舞う>にこうして日ごろの努力の結果を見せていただき、全員が頑張って踊っている姿を見て胸が熱くなりました」と話していました。
27日の土曜日は桜の満開、5月並み陽気とあって、浅草は大変な賑わいでした。隅田川公園の桜も満開です。雷門や仲見世は通常なら観光客の大半は中国や韓国から訪れた人たちでにぎわっているのですが、ほとんど全員が日本人観光客。珍しい光景でした。真乃流浅草稽古所のあるオレンジ通りはさほどの賑わいではなかったのですが、新舞踊の殿堂、浅草公会堂が改修のため全館に覆いがかけられ、年内いっぱい改修工事が行われます。
4月は本来なら初旬Iに国分寺民舞連盟の春季大会が行われ、毎回真乃流も参加出演してきていますが、昨年I続いてコロナ禍のために休会が決まりました。2021年は東京新聞主催の「名流祭」が浅草公会堂改修のため休会、また真乃流が参加、同公会堂で開催してきた創作新舞踊協会公演も開催への見通しがなかなか見えてこない状態で、本舞台で踊りたいという真乃繪吏家元、門下の願いも残念ながら先行きが不透明です。
真乃流「春に舞う」の一端を写真グラフでご紹介しました

高田勲真乃流後援会長の祝辞で「春に舞う」スタート
真乃繪吏家元の序開き「大和楽~舞」




「だんな様」真乃吏空・吏翠/「北海しぶき」真乃吏茜

「北時刻」真乃吏翠/「関東春雨傘」真乃吏聡・吏茜


「川の流れのように」椎葉友香里/「からたちの小径」真乃吏邦・吏容

「みだれ髪」真乃吏邦・椎葉友香里・真乃吏聡・真乃吏茜


「かっぽれ」真乃吏空/「北のおんな町」真乃吏邦

「のらにゃん風太郎」真乃吏邦・吏容

「男の絶唱」真乃吏聡・吏茜



「男の庵」を踊る真乃繪吏家元



氷川きよしの 「Call Me Kii」をコミカル、アップテンポで見る者を魅了した家元


好天、満開の桜に観光客でにぎわう浅草寺雷門、仲見世

喜多八ビル3階の真乃流稽古所から見える改修工事中の浅草公会堂
初舞に替わる踊り初め
都内の桜が満開を迎えた27日(土)、真乃流は浅草稽古所で「春に舞う」を開催しました。1月末に予定していた「初舞の集い」がコロナ禍、緊急事態宣言などで延期を余儀なくされましたが、真乃繪吏家元が門下の意見も聞きながら決断、「初舞」ならぬ「春に舞う」として浅草公会堂正面の喜多八ビル3階の真乃流浅草稽古所で一門がそろって(北陸支部は不参加)日ごろ稽古に励んだ成果を披露しました。真乃家元は日本舞踊界の伝統的な式典とされている「初舞」を重視していて、毎年欠かさず行ってきましたが、今回は未曽有の事態でもあり、形を変えての「春に舞う」として行ったのです。
当初は第2部にホテルでの会食・親睦会を予定していましたが、酒席ではないとはいえ多人数の会食は控えた方が良いと考え、代わりに料亭のお弁当を配って昼食はそれぞれ自宅で取るように変更したのです。
浅草稽古所での「春に舞う」は入場に際して手指のアルコール消毒、検温、さらに消毒剤でのうがいをゲストも含めて全員に実施。普段のお稽古でも手指のアルコール消毒、検温、出入りに手が触れる箇所のアルコール消毒などを行っていますが、見物の座席も三密を避けるなど、コロナ対策には十分な注意を払っての開催でした。
「春に舞う」は後援会長の高田勲さんにご挨拶を頂いた後、まず真乃繪吏家元が序開きに大和楽「舞」を披露。「流れる水にうつる雲…で舞い始め、めでたくお獅子で舞い納め、続いて門下たちの踊りが次々に披露されました。
初めの3曲は真乃家元が東芝レコード舞踊友の会(家元が常任顧問をつとめる現在の創作新舞踊協会の前身)専属講師時代に振り付けした中から「だんな様」「北海しぶき」「北時刻」を真乃吏空・吏翠・吏茜が踊りました。「だんな様」「北時刻」の2曲は三船和子の唄ですが、1987年(昭和62年)5月に新宿コマ劇場で開かれた「三船和子リサイタル」に家元をはじめ門下が賛助出演した懐かしい曲です。続いて真乃会師範幹部長・真乃吏聡、師範幹部・真乃吏茜による「関東春雨傘」、その次に真乃流カルチャー講座の「おどり倶楽部」で昨年夏から加わった椎葉友香里の「川の流れのように」。これがデビューを飾る初舞台になりましたが、堂々と踊り切り大きな拍手で称賛されました。椎葉は真乃吏邦・吏容の「からたちの小径」のあと、先輩たちに交じって「みだれ髪」も臆せず踊り終え、大変な進境ぶりを示しました。
続いて「かっぽれ」「北のおんな町」「のらにゃん風太郎」「男の絶唱」を次々に門下が披露。そしてキリは再び家元の登場です。家元は鳥羽一郎「男の庵」から氷川きよし「Call me Kii」の2部構成。男の隠れ家、憩いの場を歌う鳥羽の歌に続けての「Call Me Kii」は昨年秋に芸能生活20周年を祝った氷川が新しいスタートを切った新曲です。
真乃家元はこれまで氷川の曲はデビュー曲の「箱根八里の半次郎」をはじめ「一剣」「白雲の城」などを振り付けいずれも真乃流のレパートリー曲になっていますが、「Call Me Kii」は従来の演歌調とは大きく異なる曲調でテンポも速く、家元は振付にかなり苦労したようでした。KII(氷川)に声をかけて!という内容を家元はステージ上に人形を仮託するという驚くべき素晴らしい解釈を施してアップテンポに踊り、「コール・ミー!」のところでは、この曲は観客全員が初めて見る踊りだったのですが、客席から思わず手拍子が飛び出て大いに盛り上がりました。
「春に舞う」をとどこおりなく終えた家元は「コロナ禍の中で皆さんお稽古も大変だったでしょう。今日の<春に舞う>にこうして日ごろの努力の結果を見せていただき、全員が頑張って踊っている姿を見て胸が熱くなりました」と話していました。
27日の土曜日は桜の満開、5月並み陽気とあって、浅草は大変な賑わいでした。隅田川公園の桜も満開です。雷門や仲見世は通常なら観光客の大半は中国や韓国から訪れた人たちでにぎわっているのですが、ほとんど全員が日本人観光客。珍しい光景でした。真乃流浅草稽古所のあるオレンジ通りはさほどの賑わいではなかったのですが、新舞踊の殿堂、浅草公会堂が改修のため全館に覆いがかけられ、年内いっぱい改修工事が行われます。
4月は本来なら初旬Iに国分寺民舞連盟の春季大会が行われ、毎回真乃流も参加出演してきていますが、昨年I続いてコロナ禍のために休会が決まりました。2021年は東京新聞主催の「名流祭」が浅草公会堂改修のため休会、また真乃流が参加、同公会堂で開催してきた創作新舞踊協会公演も開催への見通しがなかなか見えてこない状態で、本舞台で踊りたいという真乃繪吏家元、門下の願いも残念ながら先行きが不透明です。
真乃流「春に舞う」の一端を写真グラフでご紹介しました

高田勲真乃流後援会長の祝辞で「春に舞う」スタート
真乃繪吏家元の序開き「大和楽~舞」




「だんな様」真乃吏空・吏翠/「北海しぶき」真乃吏茜


「北時刻」真乃吏翠/「関東春雨傘」真乃吏聡・吏茜


「川の流れのように」椎葉友香里/「からたちの小径」真乃吏邦・吏容

「みだれ髪」真乃吏邦・椎葉友香里・真乃吏聡・真乃吏茜


「かっぽれ」真乃吏空/「北のおんな町」真乃吏邦

「のらにゃん風太郎」真乃吏邦・吏容

「男の絶唱」真乃吏聡・吏茜



「男の庵」を踊る真乃繪吏家元



氷川きよしの 「Call Me Kii」をコミカル、アップテンポで見る者を魅了した家元


好天、満開の桜に観光客でにぎわう浅草寺雷門、仲見世

喜多八ビル3階の真乃流稽古所から見える改修工事中の浅草公会堂